Loading...
Project Story プロジェクトストーリー
Project
建築・鋼構造
キャリアステップ
事業分野・職種
Phase 01

2012年5月、高さ634mに達する世界最大の電波塔・東京スカイツリーが開業した。じつは日本中が注目した大プロジェクトにNSENGIは鉄のプロフェッショナルとして関わってきた。その中で重要な役割を果たしたのが永山浩三である。NSENGI では2006年、東京スカイツリー受注のための活動を開始。永山もメンバーの一人として選出された。東京スカイツリーの外周構造は、鋼管を縦・横・斜に立体的に接合し、張り巡らせていくという「鋼管立体トラス構造」が採用されているが、こうした構造はNSENGIが得意とする「特殊鉄構」である。これまで培ってきたノウハウを存分に発揮できるプロジェクトとして、受注のための検討課題を調査することからスタートしたのだ。そして2007年には営業活動先となる工事全体を請け負うゼネコンが決定。ゼネコンが鉄骨加工業者を直接起用する選択肢もあり、エンジニアリング企業としてのNSENGIが関わる意義やメリットを明確に提示していかなければならない。そのため受注活動では、予想できる課題とその解決方法を提示しながらソリューション力をアピール。その成果が実って翌年に受注が決定した。

Phase 02

img

東京スカイツリーの鉄骨施工は、3つの工区に分割され、NSENGIはそのうち1つの工区を他社と担当することになった。しかし、最終的には1つの巨大な構造物を創り上げるのが目的である。各製作会社が協力しながら課題とその解決方法を共有するために「鉄骨分科会」が立ち上げられ、永山はNSENGIの窓口となった。同分科会は、1~2週に一度開催され、設計事務所、ゼネコン、鉄骨製作に関わる各社が参加し、鉄骨製作に関するプロジェクト仕様の統一ルールをつくっていった。しかし、今までにないスケールの建築物だけに、従来の手法が適用できないこともある。そこで永山はエンジニアリング企業でなければ解決できない課題を率先して引き受けた。例えば、開先要領もそのひとつ。開先とは鉄骨と鉄骨を溶接接合する部分に設ける溝のことだが、鋼管のサイズが従来のものとは比較にならないぐらい大きく、部材同士の交差角度が小さいためにいために、既存のルールを適用することができない。そこで、プロジェクト仕様の開先基準を考案したのだ。幾何学的複雑さに頭を悩ませ、切断機械の動作制約や溶接施工性を考慮しながら仕様を決定していった。

Phase 03

img

鉄骨分科会で貢献した永山だが、その背景には社内に蓄積された知見が大きな力を発揮した。特殊鉄構骨を手掛けてきた社員はもとより、開先形状については海洋構造を手掛けた社員にも意見を求めた。こうした社内のスペシャリストのアドバイスを得ながら、鉄骨分科会で貴重な役割を果たしていったのだ。その後、永山は最大で直径2.3m、板厚100mmの鋼管を幹材にした鉄骨を製作して現場へと納入していく。そして2010年9月、NSENGIの製作担当範囲は無事に終了。この世紀の大プロジェクトに携わった永山が学んだことは数多いが、改めてチームワークの大切さを学んだという。社内のみならず社外とも協調関係を築き、同じ思いを共有して共に苦しみ、喜ぶというプロジェクトの醍醐味が味わえたと振り返る。そして不可能と思える課題に対しても、諦めずに、ひとつずつ最適解を追求する姿勢の大切さも学んだ。じつは永山には小さな子供がいる。ある時、東京スカイツリーを見上げながら「お父さんも一緒に作ったんだよ」と言うと、目を輝かせて驚いたという。ものづくりに携わる人間にしか味わえない幸福感だろう。