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Project Story プロジェクトストーリー
Project
海洋鋼構造
キャリアステップ
事業分野・職種
Phase 01

2009年8月、柏野大地の元に米国系オイルメジャーからある話が飛び込んできた。それはベトナムの洋上ガス田開発プロジェクトの件で、マーケットにおいてNSENGIと競合する米国企業よりも魅力的な見積を提出できればメインコントラクターであるベトナム国営企業に紹介したいという内容だった。ベトナム国営石油企業、アメリカのオイルメジャーなど5社によるジョイントカンパニーが開発を進めていた本プロジェクトは、海底に眠る天然ガスを採掘するプラットフォームや移送するためのパイプラインが主要設備となる。メインコントラクターはベトナムの国営EPCコントラクターが担当、米国企業等と共同で既にフェーズ3まで建設済み。フェーズ4では1基のプラットフォームの詳細設計・輸送・施工とパイプラインの敷設を行う。すでに実績のある米国企業が本フェーズも内定していたのだが、打診してきたオイルメジャーはかつてインドネシアの油・ガス田開発プロジェクトの顧客であり、その際のNSENGIの仕事ぶりを高く評価していた関係があったことから、ベトナム担当である柏野に話が持ち込まれたのであった。海外Oil&Gas分野は東南アジアで多くの実績があったがベトナムでの案件はない。柏野はベトナム案件初受注への大きなチャンスだと考えた。

Phase 02

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柏野の行動は素早かった。現在、米国企業が提示している金額よりも安くするのは当然だが、顧客は何に重きを置いているのか、内定している会社ではなく当社に任せたいと考えている理由は何かを探らなければならない。情報を引き出すために、柏野はオイルメジャーをはじめとした関係者に幅広くコンタクトを取った。しかし、オイルメジャーもNSENGIという会社を信頼していても柏野は初めて会う人間。信頼関係がないと重要な情報を得ることは不可能に近い。柏野は相手の信頼を得るには真摯に向き合うことだと考え、持ち前の誠実さで接しながら粘り強く情報収集に当たった。一方、シンガポール、タイ、インドネシアと、NSENGIの営業拠点・オフショア施工アセット・設計部門の運営拠点のの運営拠点であるシンガポール、プラットフォーム建設と営業拠点のあるタイとインドネシア、設計部門があるジャカルタなど各国のスタッフに連絡、直接足を運び見積方針を議論・策定、を取って連携体制も固めた。顧客からの要望事項に対しついては一つ一つ丁寧な返答・説明を積み重ねた。提供する技術、関連する法律を確認しながら見積を作成。そして2009年12月、オイルメジャーに見積内容が認められ、翌年1月にはメインコントラクターへの見積提出に至った。

Phase 03

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しかし、見積を提出した後、予期せぬ出来事に見舞われる。元々フェーズ1より工事実績のあった米国企業がNSENGIよりも低価格を再提示したのだ。それは明らかにNSENGIの見積金額が漏れたとしか思えないような内容だった。柏野は正々堂々と戦ってきたという自負があったため、心が震え、思わず顧客、メインコントラクターの前で声を発した。「こんなやり方はアンフェアだ!本件に関わった多くの仲間の努力を考えてくれ!」と。すると相手も「我々の流儀にも反している。心配するな。安心してくれ」という言葉が返ってきた。その3か月後、その言葉通り、発注内示を得たのだった。そして柏野はメインコントラクターの国営EPCコントラクターと顧客である米国系オイルメジャーから「NSENGIとしてはベトナム初の案件となる。よろしく頼むぞ」と言葉をかけられた。今回の交渉で絆を深めた相手から発せられたこの言葉が、柏野は何よりもうれしかった。ましてや柏野にとっては、営業担当として自らが集めた情報を元にチームを率いて見積を提示し、客先との交渉を経て受注した初めての案件だった。当該分野としても未開拓のベトナム案件を勝ち取った柏野は、プロジェクトの成功に向けてプロジェクト実行チームと共に次なる一歩を踏み出した。