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Project Story プロジェクトストーリー
Project
エネルギーソリューション
キャリアステップ
事業分野・職種
Phase 01

これまで数々のプロジェクトに携わってきた日野早智子にとって、忘れられないプロジェクトがある。日野が初めて調達担当として携わった「六本木六丁目特電・DHCプロジェクト」である。これは、東京六本木ヒルズの地域冷暖房設備と発電設備の複合プラント建設プロジェクトで、電力の供給エリアは床面積にして75万m2、工期は3年、総工費は100億円の大プロジェクトだ。従来の冷暖房設備は、それぞれのオフィスや住宅に設置するものだが、オフィスビルや集合住宅、商業施設等を抱える地域は、その地域全体で大規模冷暖房設備を集中的に管理した方が、省エネ・経済性に優れ、環境負荷も下げることが出来る。この歴史に残る大規模開発の六本木ヒルズには、この最新の技術を集めた大規模冷暖房設備に大規模ガスコジェネレーション設備を組み込み、発電時排熱をも再利用することで、極めて高いエネルギー効率で冷温水・電力を一括供給できるという国内最大規模のシステムが導入され、社会からも注目を集めた。その舞台裏では日野の奔走する日々が続くことになる。

Phase 02

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日野がプロジェクトに配属された時は、すでに資機材の発注はほぼ終了した時期に当たる。そのため調達した資機材を仕様書通り・計画スケジュール通りに製作・納入させることが日野の役割だった。発注した様々な資機材は約50種類、数百件の契約にも及び、そのすべてが仕様書通りの品質、予定期日に納入されなければプラント建設に多大な影響を与えてしまう。仮に工期が遅れた場合は、何百万円というクライアントへの遅延損害賠償金を支払わなければならず、最悪はクライアントの事業開始時期にも影響を及ぼしかねないことにつながるのだ。それだけプロジェクトにおける資機材の製作管理・納入管理は重責を担う業務である。日野は毎日膨大な数のメーカーと連絡を取り、その状況を確認し、現場へ繋いだ。しかし、予期せぬトラブルが日野を襲った。調達先の海外のメーカーの一つに、製作途中の中間検査で不具合が発覚。検討の結果、再製作・納期遅延を余儀なくされた。日野は毎日再製作品の画像データを海外から取り寄せ、入念に確認しながらようやく要求品質通りの製品の納入にこぎつけたのだ。日野がプロジェクトという「生き物」の怖さを知った初めての出来事だった。

Phase 03

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しかし、不運はこれだけに留まらなかった。NSENGIが発注していたタンクのメーカーの資金繰りが悪化、こちらも納期通りに出荷できないからもしれないという事態が発生したのだ。このタンクは六本木ヒルズ中心部の地下6階のプラントの最上部に据えられるもので、その据え付け直後から地上部のビル建設工事が始まる。つまり、タンクの据え付けが遅れるとビル工事全体が遅れる事態を迎えてしまう。日野はそんな最悪の事態を避けたようと、メーカーの工場に乗り込み、現場の状況を説明する。そしてこの仕事を優先してもらえるよう説得。製作済み部分は支払いを前倒ししてメーカーの経営危機を回避する手立ても打った。こうしてタンクは納期ぎりぎりで納入された。まさに綱渡りのような、“生きたプロジェクトの現場”を切り抜けた日野は、プロジェクトの難しさと、責任の重さを身に染みて感じたという。しかし、この原体験があるからこそ、日野は、関連法制度やリスクマネジメント、商品知識を深め、技術動向やマーケット動向にも目を光らせ、日々調達戦略を練る。その真摯な姿勢には調達のプロフェッショナルならではの情熱と誇りを感じずにはいられない。